豊田町駅周辺土地改良区画整理事業完成記念として制作された。

分 類銅像
作 者小島雅生
制作年平成12年(2000)
場 所JR豊田町駅北口ロータリー(立野)
詳 細熊野像はブロンズ、台座等は鉄とガラス(紫、緑など)で造られている。
隣には同じ素材に支えられた時計が、時を刻んでいる。

取材をおえて

力強い藤づるに支えられた天板の上に熊野が立っている。やや上向き加減の顔は駅舎の藤のステンドグラス(実はカラーシートを黒いゴム枠で留めてある)に向けられていて、乗降客を歓迎している。正面から仰ぐ表情は気品ある女性の優しさとあどけない少女のようなかわいらしさを感じさせる。すくっと立ったたたずまい、後ろにたなびく裳裾、袂、そして、流れる髪は運命に翻弄されながらも前を向いて生きた熊野の姿をほうふつとさせる。
絡み合いながら、四方へ力強く伸びていく藤づるは、生命力にあふれ、とどまることを知らないかのようだ。
夕闇せまってから、ライトアップされ、光に力をもらった色ガラスの効果も楽しみたい。
近くに据えられた藤づるに支えられた時計は、植物の生命力の中で間借りしているように見える。駅舎南側にも 藤づるに支えられた時計が置かれているので、時間があれば、通路を通って南側に回り、見比べるのも良い。
熊野の伝説や制作意図について、詳しくは駅舎北側の石畳に据えられたプレートに刻まれている。