霊園前の小さな公園に、石彫による地蔵五体が配置されている。公園入口の石柱の上に一体、小さな流れから池への注ぎ口に一体、池の中に二体、遊具のある広場にある一体は釈迦のようである。

分 類石彫
作 者杉村 孝
制作年不明
場 所福田霊園(大原)

取材をおえて

園入口の地蔵さまは、石柱に腰かけて合掌している。墓参に訪れた人々を心静かに迎えているようだ。
池への注ぎ口では右手で頬づえをついた地蔵さまが、時の流れを思うかのように水の流れを見つめている。
池の中では、座して合掌している地蔵さまと、腹ばいになって頬づえをついている地蔵様が石の上にいる。穏やかな日々と無心に生きる日々を示唆しているのだろうか。
遊具のある広場では、釈迦如来が合掌して立っている。亡くなった人々の冥福を祈りつつ、遊びに来た子どもたちの幸福を祈っているようだ。
頭をほんの少し傾けたわらべ地蔵は、見ているだけで心がゆるんでくる。墓参であれ、休憩であれ、人々の心にやさしいひとときを与えてくれる。