話は鎌倉時代にさかのぼる。
見付では毎年怪物が現れ、若い娘を人身御供として求められた。困っている町民の話を聞いた旅の僧は、怪物が信州の悉平太郎を恐れていることを知った。
苦労の末、悉平太郎が駒ヶ根市光前寺(信州では、早太郎と呼ばれている)で飼われている犬であることをつきとめ、怪物が現れる夜に、悉平太郎を本殿に忍ばせた。
苦闘の末、悉平太郎は怪物を退治したが、悉平太郎もまた深い傷を負った。
この悉平太郎の銅像が、神社の入り口に建っている。

なお、磐田市のイメージキャラクター「しっぺい」は悉平太郎がモデルである。

分 類銅像
作 者不詳
制作年昭和39年(1964)
場 所矢奈比売神社(見付天神)入口(見付)

取材をおえて

前足を力強く踏ん張り、耳を立て、怪物に撃ち勝った勇猛な姿で表されている。
神社に北接する、つつじ公園のなかには、霊犬神社が祀られている。
見上げる視線は、遠く信州へ注がれているようである。