万葉集巻八に、遠江国司桜井王と天皇との間で交わされた歌が刻まれている。
桜井王は遠江国司(国府の長官)として、天平9年(737)には赴任していた。
都を懐かしんで天皇に歌を奉った。桜井王の国司としての在任時期を考えると、天皇は第45代聖武天皇であった可能性が高い。
題字は、鈴木未央(喜)氏によるもの。

遠江守桜井王の天皇に奉れる歌一首
 九月のその初雁の使にも思ふ心は聞え来ぬかも

天皇の賜へる報知の御歌一首
 大の浦のその長浜に寄する波寛けく君を思ふこの頃

分 類句・歌碑
作 者不詳
制作年昭和38年(1963)
場 所ワークピア駐車場入口(中泉)
詳 細高さ130㎝、幅205㎝

取材をおえて

古代遠江の中心だった磐田。国府や国分寺が置かれた。
「遠江」は従来、浜名湖と考えられてきたが、天皇までも知る”大の浦”こそが「遠江」ではないかという説もある。